持続化給付金の不正受給の罰則・ペナルティは?逮捕者も出ている

新型コロナウイルス感染症の拡大により経営環境が急速に悪化しています。

店舗の休業や客足減少など、厳しい経営環境を余儀なくされる事業者が増える中、日本政府では数々の経済対策を講じてきました。

その一つが令和2年5月1日に申請受付をスタートした持続化給付金となります。

新型コロナウイルス感染症による緊急措置ということもあり、他の補助金や助成金と比べて、支給要件や審査が緩く入金も早くなっています。

想定外の売上減少により資金繰りが急速に悪化した事業者にとっては非常にありがたい制度でしょう。

一方、持続化給付金の審査等の柔軟な対応を利用して、本来なら受給資格のない人たちによる不正受給問題も発生しています。

すでに全国で不正受給は1,000件、逮捕者も30人にも達しており、今後も増え続けることが予想できます。

この記事では、持続化給付金を不正受給したときの罰則・ペナルティなどを解説していきます。

持続化給付金を不正受給した際の罰則・ペナルティ

先に言っておくと、持続化給付金を不正受給したら延滞税と2割に相当する額を加えて返還請求されます。

さらに悪質な場合であれば、刑事告発により有罪判決となれば、逮捕および前科がつく可能性もあります。

このことは、経済産業省の「持続化給付金申請要領」でも明記されています。

提出された証拠書類等について、不審な点が見られる場合、調査を行うことがあります。調査の結果によって不正受給と判断された場合、以下の措置を講じます。

  1. 給付金の全額に、不正受給の日の翌日から返還の日まで、年3%の割合で算定した延滞金を加え、これらの合計額にその2割に相当する額を加えた額の返還請求
  2. 申請者の法人名等を公表(個人事業主は申請者の屋号・雅号・氏名等を公表)。不正の内容が悪質な場合には刑事告発

出典:経済産業省 持続化給付金申請要領「不正受給時の対応」

返還請求額の計算方法

例えば、持続化給付金の不正受給により100万円を受け取った。

そして、6ヶ月後(180日後)に不正受給がバレてしまった場合、罰金を含めた返還請求額は、次のように計算できます。

延滞金

延滞金は、不正受給の日の翌日から返還の日までの期間で計算されます。

延滞金 = 100万円 × 3% × 180日 ÷ 365日 = 1万5,000円

2割に相当する額

2割に相当する額 =(不正受給額 + 延滞金) × 20% = 101万5,000円 × 20% = 20万3,000円

返還請求額

返還請求額 = 不正受給額 + 延滞金 + 2割に相当する額 = 121万8,000円

芦屋会計
持続化給付金の不正受給に手を出したことで不正受給額100万円に加えて21万8,000円を余分に返還する必要が生じました。

さらに悪質と判断されてしまえば、刑事告訴により裁判に発展する可能性もあります。

持続化給付金の不正受給が多発する理由

冒頭でもお伝えしたとおり、持続化給付金の不正受給は1,000件以上発生しており、連日逮捕者も出てきています。

「なぜ、これほどまでに持続化給付金の不正受給が多発するのでしょうか?」

それは、

  • 申請書類が簡素化されている
  • 2019年度の確定申告の提出期限が延長された
  • 売上を1ヶ月だけ減少させれば要件に当てはまる

などが考えられれます。

申請書類が簡素化されている

持続化給付金では、新型コロナウイルス感染症という未曾有に事態に対処するために申請書類が非常に簡素化されています。

基本的には、

  1. 2019年(法人は前事業年度)確定申告書類の控え
  2. 売上減少となった月の売上台帳等の写し
  3. 本人確認書類

の3点があれば、2週間ほどで指定した口座に振り込まれる仕組みです。

2つ目の売上台帳については、対象月の事業収入の合計額が確認できれば良いとされています。

最低限必要となる情報は「売上が発生した日付」「取引先」「内容」「金額」の4つだけであり、対象月以外の売上、仕入れ、必要経費などの情報は必要ありません。

また、会計ソフトから抽出したデータだけでなく、エクセルデータ、手書きの売上台帳でも可能とされています。

芦屋会計
例え、売上が0であっても形式的な審査だけで迅速に支給されることから、その気になれば架空の売上により簡単に支給を受けられる状態になっていました。

確定申告の提出期限が延長された

通常、確定申告は、毎年3月15日までに提出しなければなりません。

しかし、新型コロナウイルス感染症の非常事態宣言が発令されたことから2019年度分(令和元年分)確定申告書の提出期限が”実質無期限”に延長されました。

つまり、持続化給付金の給付要件を確認した上で2019年度の確定申告を作成できるということです。

芦屋会計
持続化給付金の不正受給による逮捕者の中には、事業活動をしていないにも関わらず、嘘の確定申告書や売上台帳の提出により給付を受けたケースも報道されています。

売上を1ヶ月だけ減少させれば要件に当てはまる

持続化給付金は、

新型コロナウイルス感染症の影響により前年同月比で売上が50%以上減少した月(対象月)がある事業者

を要件に掲げています。

これは、2020年1~12月と2019年1~12月を比較(中小法人等は2019年度と2020年度の決算で比較)して、事業収入が50%以上減少した月が1つでもあれば要件を満たすという意味です。

例えば、12月決算の中小法人等における事業収入の推移を例に見ていきましょう。

2019年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
30 20 10 30 30 20 30 20 10 20 20 30
2020年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
40 20 20 13

この場合は、2020年1月~3月については、前年同月比より売上高は”横ばい”または”増加”しています。

しかし、2019年の4月分(30万円)と2020年の4月分(13万円)の月間事業収入を比較すると前年同月比で50%以上減少していることから持続化給付金の対象となります。

また、持続化給付金の給付金の計算については、次のとおりです。

持続化給付金の給付額 = 前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)

※1円未満は切り捨てとなります。

原則、前年の総売上(事業収入)から前年同月比で50%以上減少した対象月に12ヶ月を掛けて差し引いた金額となります。

先ほどの例では、

  • 2019年の年間事業収入:300万円
  • 2019年の4月の月間事業収入:30万円
  • 2020年の4月の月間事業収入:13万円

を当てはめて、次のように計算できます。

給付額 = 前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)= 300万円 - 13万円 × 12ヶ月 = 300万円 - 156万円 = 144万円

個人事業者の場合は、持続化給付金の上限は100万円となっているため、給付額は100万円となります。

芦屋会計
持続化給付金は、1ヶ月間の売上高さえ前年同月比で大幅に減少させれば満額を受け取れます。

そのため、

  • 2019年度の売上を水増しして修正申告をする
  • 2020年度の対象月の売上を先送りなどして減少させる

などにより売上を前年同月比で50%以上減少させたり、満額受け取れるように調整するなどの不正手口が可能となっています。

持続化給付金の不正受給は「自主返還」で加算税なし

持続化給付金の不正受給は、許されない行為です。

経済産業省「中小企業庁」でも

事業を実施していないにもかかわらず申告するなど、持続化給付金を不正に申請・受給する行為は犯罪にあたります。

中小企業庁では不正受給に対して、警察と情報共有しながら、厳格に対応します。

と案内されています。

持続化給付金の不正受給の時効について、詐欺罪の場合は7年と長期に及ぶことから1~2年目に指摘がなくても安心できません。

また、年3%の延滞税が加算されていくので、2年目、3年目、4年目・・・と指摘が遅くなるほど、バレたときの返還請求額は膨れ上がっていくことになります。

冒頭でもお伝えしたとおり、持続化給付金の不正受給では、実際に逮捕者も出ています。

もし、持続化給付金の不正受給に手を出してしまった場合、不安な日々を送るよりは自主的に返還することをオススメします。

経済産業省「中小企業庁」では、持続化給付金の不正受給を自ら申告した者については、

  • 年3%の延滞金
  • 2割の加算税

などの加算税は課さないとしています。

持続化給付金の受給要件を満たさないにも関わらず、給付を受けてしまった場合は、速やかにコールセンターに連絡するようにしましょう。

最後に

ここまで持続化給付金の不正受給の現状について解説しました。

持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症により支援を必要としている事業者を迅速に支援するため、次のように申請や審査が簡素化されています。

持続化給付金の概要
対象者 ・中小法人等(医療法人、農業法人、NPO法人など会社以外の法人も含む)
・個人事業者等(フリーランスも含む)
給付額 ・中小法人:最大200万円
・個人事業主:最大100万円
主な要件 ・新型コロナウイルス感染症の影響により前年同月比で売上が50%以上減少した月(対象月)がある事業者
・2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者
・主たる収入が業務委託契約等に基づく事業活動であり、税務上の雑所得または給与所得で確定申告をしている事業者(被雇用者、被扶養者の方はは対象外です。)
必要な書類 ・2019年(法人は前事業年度)確定申告書類の控え
・売上減少となった月の売上台帳等の写し
・通帳写し(電子通帳の場合は画面コピー)
・個人事業主は身分証明書写し(運転免許証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、在留カード、特別永住権証明書、外国人登録証明書のいずれか1つ)
※マイナンバーカードは不要です。このほかの書類が必要になるケースもあります。
申請方法 持続化給付金の申請用ホームページから申請
申請期間 令和2年5月1日から令和3年1月15日まで
※電子申請の送信完了の締め切りが令和3年1月15日の24時まで
入金時期 通常、2週間程度

本当に支援を必要としている事業者は、積極的に活用すべき制度です。

しかし、確定申告書や売上台帳の数字をいじってまで給付を受けるのは、リスクのある行為となります。

すでに持続化給付金の不正受給に手を染めてしまった方は、手遅れになる前に自主的な返還も考えておくべきでしょう。

※記事の執筆には細心の注意を払っておりますが、誤植等がある場合がございます。なお、執筆時から税法の改正等がある場合がございますので、最新の税法については顧問税理士等にご確認ください。

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