倒産防止共済

倒産防止共済は法人成り後も引継ぎできる!継承の条件まとめ

中小企業の経営安定化を目的とした国の救済制度”倒産防止共済(経営セーフティ共済)”

取引先が倒産するなど”不測の事態”が発生したときに無担保・保証人なしで短期間でお金を借りるだけでなく、節税対策としても活用できます。

倒産防止共済の節税効果は?年間240万円を全額損金できる

さて、倒産防止共済を個人事業主時代に契約をしたが、順調に事業が拡大してついに”法人成り(法人化)”することになりました。

このとき、今まで契約してた倒産防止共済は、そのまま引き継ぎできるのでしょうか?解説してきます。

倒産防止共済は法人成り後も引継ぎできる

先に言っておくと、倒産防止共済は法人成り後も引継ぎできます。

ただし、

  • 継承事由が生じてから3ヶ月以内に申し出をする
  • 加入資格(中小企業者であることなど)を満たしている
  • 現契約における共済金や一時貸付金の返済および違約金の支払いの義務を引き受ける

といった条件を満たさなければなりません。

1、継承事由が生じてから3ヶ月以内に申し出をする

倒産防止共済を引き継ぐには法人成りしてから3か月以内に申し込みをする必要があります。

2、加入資格(中小企業者であることなど)を満たしている

倒産防止共済には加入資格があり、法人成りした後も満たしている必要があります。

基本、次の表の「資本金の額または出資の総額」「常時使用する従業員数」のいずれかを満たしていれば加入資格を満たすことができます。

業種 資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員数
製造業、建設業、運輸業その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く。) 3億円以下 900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下

※医療法人、農事組合法人、NPO法人、森林組合、農業協同組合、外国法人等は加入対象になりません。

芦屋会計
その他にも「継続して1年以上事業を行っている中小企業者」という条件もありますが、個人事業主の期間を含めて1年以上という意味です。

そのため、個人事業主でビジネスを1年以上していれば、法人成りの直後も1年以上の事業実績があると判断されます。

3、現契約における共済金や一時貸付金の返済および違約金の支払いの義務を引き受ける

倒産防止共済を法人成りで引き継いだ場合、当然のことながら現契約で負っていう義務は引き継がれます。

具体的には、

  • 掛金の支払い
  • 一時貸付金の返済義務
  • 一時貸付金の返済が遅延したことによる違約金の支払い

などが該当します。

掛金の支払い

倒産防止共済では、毎月の掛金を5,000円〜20万円まで(5,000円単位)自由に設定することが可能です。

当然のことながら法人化した後も最大800万円を上限に掛金を支払っていくことになります。

ただ、掛金の支払いについては、毎月5日までに「掛金月額変更申込書」を提出することで毎月5,000円まで減額することもできます。

一時貸付金の返済義務

倒産防止共済には、自社都合で急に資金が必要になったときに無担保・保証人なしで借り入れできる一時貸付金の制度があります。

個人事業主のときに一時貸付金で借入をしていた場合は、法人成り後も返済をしなければなりません。

例えば、倒産防止共済制度を利用して500万円の借入をしていた場合、法人成りをしても”500万円+利息”の返済義務は残ります。

一時貸付金の返済が遅延したことによる違約金の支払い

倒産防止共済から自己都合で借入をした場合、返済期日は1年間となります。

借入期間の最終支払期日に一括して元金を支払う必要があり、返済期日を過ぎてしまうと年14.6%の違約金が発生します。

法人成りする際に違約金があれば、返済義務も引き継がれることになります。

倒産防止共済を法人成りで引継ぎ(継承)する手続き方法

倒産防止共済の契約中に個人事業主から法人に変更したときは、

  1. 必要書類の入手と記入をする
  2. 借入窓口の金融機関で手続きをする
  3. 借入金のお受取り

の手順により共済契約を引き継ぐことが可能です。

1、必要書類の入手と記入をする

倒産防止共済を法人成りで引継ぎするために必要な書類は、

  • 承継申出者(法人)の印鑑登録証明書
  • 被承継者(個人事業主)の印鑑登録証明書
  • 商業登記簿謄本または履歴事項全部証明書

となります。

2、登録取扱機関で手続きをする

登録取扱機関(「共済契約締結証書」や「掛金納付状況のお知らせ」に記載)で「貸付金借入申込書(様式 小 805または806)」を受け取り、必要事項の記入をして必要書類と一緒に提出をします。

3、中小機構からの書類の受取り

中小機構から送付される新たな「共済契約締結証書」を受け取れば完了です。

倒産防止共済の法人成りによる引継ぎ時の仕訳

倒産防止共済を法人成りにより引き継ぐ際は、解約返戻金相当額について仕訳を行う必要があります。

例えば、法人成り時に解約返戻金が300万円の場合、仕訳は次のようになります。

個人事業主で法人成り時の仕訳
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
現金 300万円 雑収入 300万円
法人成り後の仕訳
借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
保険積立金 300万円 現金 300万円

最後に

倒産防止共済は、個人事業主から法人に変更した場合も解約する必要はなく、そのまま引き継ぐことが可能です。

ただし、中小機構のホームページに「承継事由が生じてから3か月以内に、登録取扱機関をとおして、申し出てください。」と記載があるので、法人化の手続きで慌ただしい状態であっても忘れないようにしましょう。

※本記事は、芦屋会計事務所 編集部によって企画・執筆を行いました。
※記事の執筆には細心の注意を払っておりますが、誤植等がある場合がございます。なお、執筆時から税法の改正等がある場合がございますので、最新の税法については顧問税理士等にご確認ください。

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