倒産防止共済の減額・払い止め手続き・要件を解説

以前、当サイトでは、中小企業の経営安定化を目的とした倒産防止共済(経営セーフティ共済)を紹介しました。

倒産防止共済の節税効果は?年間240万円を全額損金できる

2019.02.04

取引先が倒産するなど”不測の事態”が発生したときに無担保・保証人なしで短期間でお金を借りることができる心強い共済です。

それだけでなく、

  • 毎月20万円(年間240万円)の掛金を全額損金算入できる
  • 40ヶ月(3年4ヶ月)以上納めると掛金の全額が戻る

といった特徴から上手く活用することで大きな節税効果を得ることができます。

しかしながら、経営環境の変化により倒産防止共済の掛金の支払いが重みになることもあるでしょう。

そんなときは、倒産防止共済の掛金の見直しをオススメします。

倒産防止共済の掛金は減額できる

先に言っておくと、倒産防止共済の掛金は減額することも可能です。

毎月の掛金は、

  • 5,000円〜20万円

の範囲で”5,000円単位”で設定することができます。

芦屋会計
つまり、倒産防止共済の掛金の支払いが苦しくなれば、毎月5,000円まで減額できるということです。

要件

倒産防止共済の運営元である中小機構のホームページでは、掛金の減額について以下の要件が掲げられています。

次の条件のいずれかに該当する場合のみ、掛金月額を減額できます。

  • 共済契約者の事業規模が縮小された場合
  • 事業経営の著しい悪化、病気または怪我、急な費用の支出などにより掛金の払込みの継続が著しく困難である場合
  • 借入金の貸付残高と掛金総額の10倍に相当する額との合計額が8,000万円に達している場合

出典:中小機構「掛金の増額/減額」

芦屋会計
実際には、経営環境が悪化したなどの理由がなくても、掛金の減額に応じてもらえるケースがほとんどです。

将来的な設備投資の資金を確保したいなど、成長戦略による掛金の減額であっても一度申請をしてみましょう。

手続き

倒産防止共済の掛金の減額をしたい場合は、

  • 登録取扱機関の団体
  • 金融機関の窓口

のいずれかに所定の書類「掛金月額変更申込書(様式 中 210)」を提出しなければなりません。

申し込み期限としては、掛金の減額をしたい月の5日まで(土曜・日曜・祝日の場合は翌営業日)に中小機構に書類が届くようにする必要があります。

書類を5日に提出しても、中小機構に届くのが6日以降になってしまったら、掛金の減額は翌月となっていまうので注意しましょう。

芦屋会計
例えば、8月の掛金の支払いから倒産防止共済の掛金を減額したい。

そんなときは、少なくとも8月5日の数日前まで(7月末までが確実)に書類を提出する必要があります。

倒産防止共済の掛金を払い止めすることもできる

倒産防止共済の掛金は、毎月5,000円まで減額することができます。

しかし、それでも尚支払いが厳しい場合は、掛金の払い止め(=掛金の支払いの中止)をすることも可能です。

要件

倒産防止共済の掛金の払い止めをしたい場合は、一定の要件を満たす必要があります。

掛止めは、掛金総額が掛金月額の40倍に達している場合に可能です。

出典:中小機構「掛金の掛止め/払込み再開」

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例えば、掛金を毎月1万円に設定していた場合は、掛金総額が40万円に達している必要があります。

要は「最低40ヶ月間は支払ってください」という意味です。

手続き

倒産防止共済の掛金の払い止めをしたい場合は、

  • 登録取扱機関の団体
  • 金融機関の窓口

のいずれかに所定の書類「掛金納付掛止届出書(様式 中 211)」を提出しなければなりません。

※1年以上にわたって掛金の払い止めをしている場合は「掛金預金口座振替申出書(変更用)(様式 中 105)」も提出する必要があります。

申し込み期限としては、掛金の払い止めをしたい月の5日まで(土曜・日曜・祝日の場合は翌営業日)に中小機構に書類が届くようにする必要があります。

書類を5日に提出しても、中小機構に届くのが6日以降になってしまったら、掛金の減額は翌月となっていまうので注意しましょう。

芦屋会計
例えば、8月の掛金の支払いから倒産防止共済の掛金の払い止めをしたい。

そんなときは、少なくとも8月5日の数日前まで(7月末までが確実)に書類を提出する必要があります。

なお、同様の手順で掛金の払い込みを再開することが可能です。

倒産防止共済の掛金を滞納すると強制解約もある

倒産防止共済の掛金の支払いが厳しいという理由で12ヶ月以上の滞納をしていると「機構解約」として契約が強制的に解約されます。

機構解約に該当した場合でも、解約手当金(解約返戻金)を受け取ることは可能です。

しかし、通常の任意解約と比べて、5%も受け取れる金額が減ってしまうデメリットがあります。

掛金納付月数 任意解約 みなし解約 機構解約
1か月~11か月 0% 0% 0%
12か月~23か月 80% 85% 75%
24か月~29か月 85% 90% 80%
30か月~35か月 90% 95% 85%
36か月~39か月 95% 100% 90%
40か月以上 100% 100% 95%
芦屋会計
例えば、毎月10万円の掛け金を50ヶ月間支払って、掛金総額が上限の500万円に達していた。

しかし、資金難により掛金の支払いを無視し続けて、12ヶ月間経過した時点で「機構解約」により強制的に解約させられた。

このとき、本来、解約手当金を500万円受け取れていたはずが、5%減額されて475万円になってしまいます。

倒産防止共済の掛金の負担が大きいと感じた時点で正規の手順で減額の手続きをすることを強くおすすめします。

最後に

倒産防止共済を上手く活用すれば、税金の負担を減らすことができます。

しかし、当初は掛金を問題なく拠出できていても、経営環境の悪化や新規事業の投資によるキャッシュフロー悪化により掛金の支払いが厳しくなることがあります。

そんなときは、倒産防止共済の掛金減額を積極的に活用しましょう。

所定の書類を提出することで最短で当月の支払いから減額を受け付けてもらえます。

※記事の執筆には細心の注意を払っておりますが、誤植等がある場合がございます。なお、執筆時から税法の改正等がある場合がございますので、最新の税法については顧問税理士等にご確認ください。

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