「家賃に消費税ってかかっているの?」
そんな疑問を持っている方は、多いのではないでしょうか?
現在、マンションやアパートなどの住宅の家賃は、消費税がかからないものとされています。
しかし、家賃に消費税がかかるケースも存在します。
目次
家賃に消費税が課税される条件
先に結論を言うと、
- 居住用 → 消費税がかからない(非課税)
- 事業用 → 消費税がかかる(課税)
となります。

具体的には、賃貸借契約書の契約形態が「居住用」か「事業用」かで判断します。
表にまとめると、次のとおりです。
非課税 | 【居住用】 一戸建て、マンション、アパート、社宅、寮、青空駐車場 |
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課税 | 【事業用】 一戸建て、マンション、アパート、事務所、店舗、倉庫、工場、駐車場 【旅館業に係る施設】 ホテル、旅館、リゾートマンション、貸別荘、ウィークリーマンション、民泊 【その他】 貸付期間が1ヶ月未満の場合 |
社宅(借上社宅)
会社が法人名義で契約をして、従業員に貸しているケースは多いと思います。
この場合であっても、最終的に「人が住むための物件」であれば消費税はかかりません。
- 会社が大家に支払う家賃
- 従業員が会社に支払う家賃
の両方について消費税が非課税となります。

マンスリーマンション
1ヶ月単位で借りられるマンスリーマンションについては、
- 契約者が「住む」ために借りる
- 契約期間が1ヶ月以上
- 旅館業法第2条第1項に規定する旅館業(ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業)に該当しない施設
であれば、消費税はかからないとされています。

マンスリーマンションは消費税がかからない(非課税)※条件あり
となります。
店舗付き住宅
店舗付き住宅については、
- 店舗部分 → 消費税がかかる(課税)
- 居住用部分 → 消費税がかからない(非課税)
という扱いになります。
店舗と居住用を区分する方法としては、「貸付面積の比」や「近隣の貸付け相場」などが考えられます。

消費税率8%であれば、消費税3,200円となります。
土地
原則、土地を更地で賃貸借した場合は、地代に消費税がかかりません。
ただし、
- 貸付け期間が1ヶ月未満
- 施設(駐車場、野球場、プール、テニスコートなど)としての貸付け
の場合は、消費税がかかってきます。

駐車場
駐車場は、条件によって「消費税がかかるかどうか」が変わってきます。
- 駐車場 → 消費税がかかる(課税)
- 駐車場(マンション、アパートに付設)→ 消費税がかからない(非課税)
- 駐車場付きの戸建て住宅 → 消費税がかからない(非課税)
- 青空駐車場 → 消費税がかからない(非課税)
駐車場(マンション、アパートに付設)
マンション、アパートに付設とは、
- 入居者1戸あたり1台以上づつの駐車場が確保されている
- 自動車を保有しているかの有無にかかわらず、全住戸に駐車場が割り当てられている
- 家賃収入を住宅部分と駐車場部分とに区別して収受していない
の条件をすべて満たした状態をいいます。
これらの条件を1つでも満たさなければ、消費税がかかってきます。

駐車場付きの戸建て住宅
基本的に戸建て住宅は、家賃の中に駐車場代が含まれているため、消費税がかかりません。
青空駐車場
原則、青空駐車場は、土地の貸借と判断されるため消費税がかかりません。
ただし、
- アスファルト舗装
- 砂利敷の整備
- フェンスの構築
- 紐などで駐車区画の設置・整備
などを行った場合は、駐車場とみなされ消費税の課税対象となります。
なぜ、居住用の家賃は消費税がかからない?
そもそも、なぜ、居住用の家賃に消費税がかからないのでしょうか?
実は、平成元年に消費税が導入された当初は、居住用の家賃にも事業用と同様に消費税がかかっていました。
しかし、平成3年10月に税制が改正され、住居用に関しては、家賃が非課税となりました。
非課税とは、「消費税が課税される4つの要件」に当てはまっていても、
- 消費税という税の性格になじまないもの
- 社会政策的配慮
から消費税を課税しない例外的な取引をいい、住居用の家賃もこれに当てはまります。

最後に
いかがでしたか?
今回は、家賃まわりの消費税についてまとめていました。
基本的には、
- 居住用 → 消費税がかからない(非課税)
- 事業用 → 消費税がかかる(課税)
となりますが、土地や駐車場などは、判定が難しいので注意したいところです。