小規模企業共済

小規模企業共済の共同経営者(事業専従者)の要件とは?配偶者も加入できる?

個人事業主やフリーランス、小さな会社のための退職金制度である”小規模企業共済”

小規模企業共済を活用することで、掛金の全額(最大で年間84万円)を所得控除できるだけでなく、掛金以上のお金を受け取ることも可能です。

例えば、掛金1万円を20年間にわたって積み立てた場合、掛金合計額240万円に対して最大278万6,400円(+36万6,400円)の解約手当金(解約返戻金)を受け取れます。

つまり、”節税対策”と”高い運用益”を享受できる一石二鳥の制度なのです。

以前は、個人事業主の事業専従者は、小規模企業共済に加入できませんでした。

しかし、2011年(平成23)年の加入対象範囲の見直しにより、一定の要件を満たすことで小規模企業共済に加入できるようになりました。

この記事では、小規模企業共済の共同経営者(事業専従者)の加入資格についてまとめています。

小規模企業共済は共同経営者(事業専従者)も加入できる

冒頭でお伝えしたとおり、小規模企業共済は個人事業主の共同経営者(事業専従者)でも加入することが可能です。

このことは、小規模企業共済を運用する中小機構のホームページにも明記されています。

1、建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社等の役員

2、商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社等の役員

上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

出典:中小機構「加入資格」

芦屋会計
個人事業主の共同経営者と認められれば、個人事業主1人につき2人まで小規模企業共済に加入できます。

共同経営者の要件

小規模企業共済の加入資格を得るには、個人事業主の事業専従者の中でも「共同経営者」の要件を満たす必要があります。

主な共同経営者の要件は、

  1. 事業の経営に必要な資金を調達していること(資金の借入れにおいて連帯保証人や保証人になっていることなど)または 事業の経営において重要な意思決定をしていること
  2. 事業の執行に対する報酬を受けていること
  3. 個人事業主が小規模企業者であること

の3です。

芦屋会計
個人事業主の共同経営者に該当することを証明する必要書類・資料として、

  • 個人事業主の確定申告書
  • 個人事業主と共同経営者が締結した共同経営契約書の写し または 金銭消費貸借契約書等の写し
  • 報酬を受けていることが確認できる資料(社会保険料の標準報酬月額通知、青色申告決算書、白色申告決算書など)

を提出して認められれば、小規模企業共済に加入することができます。

個人事業主の配偶者も小規模企業共済に加入できるの?

個人事業主の配偶者(妻・夫)や親族であっても、共同経営者の要件を満たしてさえいれば小規模企業共済に加入することは可能です。

中小機構のホームページにも次のように記載されています。

加入資格がない例

以下のいずれかに該当する場合は、本制度にはご加入いただけません。

配偶者等の事業専従者(共同経営者の要件を満たしていない場合)

出典:中小機構「加入資格」

芦屋会計
小規模企業共済の加入資格を満たさないのは、あくまでも共同経営者の要件を満たしていない場合です。

配偶者等であっても要件さえ満たしていれば、小規模企業共済に加入できます。

ただし、小規模企業共済の掛け金は本人のみ控除が可能です。

例えば、妻の名義で支払った小規模企業共済の掛け金を夫の所得から控除することはできないので注意しましょう。

最後に

小規模企業共済は、個人事業主携が営む事業の経営に携わる「共同経営者」と認められれば加入することが可能です。

これまで青色専従者として給与を受け取っていた場合、小規模企業共済に加入することで税金(所得税、住民税)や社会保険料を大幅に下げることができるので、積極的に節税対策として活用しましょう。

※本記事は、芦屋会計事務所 編集部によって企画・執筆を行いました。
※記事の執筆には細心の注意を払っておりますが、誤植等がある場合がございます。なお、執筆時から税法の改正等がある場合がございますので、最新の税法については顧問税理士等にご確認ください。

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