税金の知識

【消費税】お酒・アルコールは軽減税率の対象?ワイン・ノンアルコールビール・みりんなど

今回、注目したいのは、1989年の消費税導入以来、初めて導入される軽減税率です。

軽減税率とは、食料品など「生活に最低限必要なもの」については、消費税を軽減する制度を言います。

軽減税率(8%)と標準税率(10%)の適用について表にまとめると次のようになります。

分類 軽減税率の適用 消費税率
飲食料品 あり 8%
医薬品・医薬部外品等 なし 10%
酒類 なし 10%

これまで一律だった消費税率が「商品の種類」によって変わってくることが分かります。

ここで気になるのが、味わうことを目的とした嗜好品の一種である「お酒・アルコール」の取り扱いについてです。

この記事では、軽減税率の中でも少しややこしい「お酒・アルコール」について解説していきます。

お酒・アルコールは軽減税率が適用されない

先に結論を言っておくと、お酒・アルコールは軽減税率(消費税率8%)が適用されません。

なぜなら、

  • 軽減税率の適用対象となる「飲食料品」から酒類は除外されるから

です。

具体的には、酒税法に規定する酒類が軽減税率の対象外となります。

酒税法に規定する酒類

酒税法に規定する酒類とは、アルコール度数が一度以上の飲料のことを言います。

例えば、

  • ビール
  • 発泡酒
  • 清酒・日本酒
  • 果実酒
  • ウイスキー
  • ブランデー
  • 蒸留酒
  • みりん

などが該当します。

上記に該当する場合は、スーパーマーケットでの購入やテイクアウトなどであっても標準税率(10%)が適用されます。

芦屋会計
ここであげた酒類には、軽減税率(8%)が適用されません。

そのため、2019年10月以降に消費税が増税された場合は、消費税率が10%となります。

酒税法第2条第1項(酒類の定義及び種類)

この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

出典:酒税法

よくある質問

お酒・アルコールの軽減税率について、よくある質問をまとめました。

Q. ノンアルビールは軽減税率の対象ですか?

A. 軽減税率の対象です。

ノンアルビールは、酒税法に規定する酒類に該当しないため、軽減税率の対象です。

なお、甘酒もアルコール度数が1度未満であれば、軽減税率が適用されます。

Q. 料理に使用される料理酒は軽減税率の対象ですか?

A. 軽減税率の対象外です。

料理に使用する料理酒(みりん、日本酒、ワインなど)であっても、酒税法に規定する酒類に該当すれば、軽減税率の対象外です。

なお、みりん風調味料(アルコール度数が1%未満)であれば、軽減税率の対象となります。

Q、お酒をテイクアウト(お持ち帰り)する場合は軽減税率の対象ですか?

A. 軽減税率の対象外です。

通常、飲食店などでテイクアウト(お持ち帰り)した場合は、軽減税率が適用されます。

しかし、酒類に関しては軽減税率の対象外であることから、テイクアウト(お持ち帰り)であっても標準税率10%が適用されることになります。

テイクアウト(お持ち帰り)の基準については、次の記事で詳しく解説しています。

【消費税】コンビニのイートインは軽減税率の対象?外食とテイクアウトの定義

Q、お酒と食品のセット販売は、軽減税率の対象ですか?

お酒と食品で別の税率が適用されます。

例えば、ビールとおつまみのセット商品を購入した場合は、

  • ビール:標準税率10%
  • おつまみ:軽減税率8%

が適用されることになります。

最後に

消費税の軽減税率は、初めて導入されることから混乱が起こることが予想されています。

お酒・アルコールの取り扱いについては、使用用途ではなく、酒税法に規定するかどうかで軽減税率が決まります。

お酒・アルコールの取り扱い店は、消費税の導入をスムーズに行うための経過措置と合わせて社内ルールの設定と従業員に周知徹底させておきたいところです。

その他、ややこしい軽減税率の対象商品・品目は、次の記事で紹介しています。

軽減税率とは?ややこしい対象商品・品目を総まとめ

また、消費税増税および軽減税率と合わせて導入された最大5%の「キャッシュレス・ポイント還元事業」も合わせてご覧ください。

消費税のポイント還元とは?キャッシュレス決済で最大5%【理由も解説】

※本記事は、芦屋会計事務所 編集部によって企画・執筆を行いました。
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