妻を社会保険の扶養範囲にするなら「非常勤役員」「年収130万円未満」にするべし

同族会社(家族経営の会社)では、妻を役員としているケースが多くあります。

なぜなら、妻を役員にすることで所得分散することができ、結果的に世帯単位で税金の負担を減らすことが可能だからです。

例えば、「夫1人」と「夫と妻の2人」で役員報酬を受け取っている場合の「税金」と「社会保険料」の合計金額をそれぞれ比較してみます。

夫1人
年収 所得税 住民税 社会保険料
600万円 16万9,800円 27万6,000円 86万4,000円

合計:130万9,800円

夫と妻の2人
年収 所得税 住民税 社会保険料
480万円 9万4,300円 19万4,700円 69万1,200円
120万円 8,500円 2万4,500円 0円

合計:101万3,200円

※基礎控除および配偶者特別控除を適用しています。社会保険料は14.4%で計算しています。会社や地域によって違ってきますので目安として考えてください。

世帯年収は600万円と全く同じですが、夫婦で役員報酬を分散することで「税金」および「社会保険料」の合計負担額が29万6,600円も減りました。

特に注目すべきは、妻を扶養に入れることで社会保険料が世帯単位で17万2,800円も減り、労使折半での会社側の負担も減った点です。

この記事では、妻を社会保険料の扶養範囲内にしつつ、役員報酬を支給する方法を解説します。

妻を扶養にするなら「非常勤役員」にするべし

妻を社会保険料の扶養範囲内にするなら、大前提として「非常勤役員」にする必要があります。

なぜなら、

  • 非常勤役員には社会保険(健康保険、厚生年金)の加入義務がないから

です。

芦屋会計
逆に常勤役員の場合は、役員報酬の金額に関わらず、社会保険が強制加入となります。

非常勤役員の基準

妻を「非常勤役員」にする上で注意していただきたいことは、法律上「常勤役員」「非常勤役員」の明確な基準はないということです。

名称にかかわらず勤務実態に基づいた複数の判断材料によって

  • 常勤役員
  • 非常勤役員

が判断されます。

具体的な判断基準については、日本年金機構で次のように示されています。(下記に該当すると社会保険の加入が生じます。)

  1. 当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。
  2. 当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。
  3. 当該法人の役員会等に出席しているかどうか。
  4. 当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。
  5. 当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。
  6. 当該法人等より支払を受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実務弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

出典:日本年金機構

芦屋会計
日本年金機構では、上記1〜6を確認して総合的に判断をして、社会保険加入の有無を判断します。

そのため、妻を「非常勤役員」として会社に在籍させていた場合であっても、勤務実態によっては「常勤役員」の扱いとなり、社会保険の加入義務も生じます。

社会保険の「年収130万円の壁」に注意

例え非常勤役員の条件に合致していたとしても、年収130万円以上になると社会保険の加入義務が生じます。

※大企業の場合(従業員501人以上の企業)は、年収106万円以上が判断基準となります。

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この年収130万円の判定については、管轄の年金事務所によって判断が異なります。

基本的には、1月〜12月の年収ではなく、

  • 過去1年間の合計金額
  • 月収10万8,334円以上(= 130万円 ÷ 12ヶ月)

で判断されることが多いようです。

社会保険に加入するメリットもある

確かに社会保険料の負担は大きいものです。

しかし、社会保険に加入することで

  • 将来受け取る年金が増える
  • 「傷病手当金」や「出産手当金」などの給付を受けられる

といったメリットがあることも忘れてはいけません。

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怪我や病気などで働けない状態になった場合は、役員であろうと3日間の「待機期間」を経て傷病手当金をもらうことが可能です。

支給額は、直近12ヶ月の役員報酬を基礎として、1日につき3分の2が最長1年6ヶ月にわたって支給されます。

ただし、傷病手当金以上の役員報酬が支給されている間は、傷病手当金をもらうことはできません。

そのため、臨時改定事由により役員報酬を減額するか支給をゼロにする必要があります。

関連:役員報酬を途中から変更できる「臨時改定事由」を分かりやすく解説

最後に

今回は、妻を社会保険の扶養範囲にしたまま「役員」にする方法と税金の負担について解説しました。

基本的には、

  • 非常勤役員
  • 年収130万円

にすることで、妻を扶養にして社会保険料の負担をゼロにすることが可能です。

ただ、社長の役員報酬が高い場合は、累進課税により最大45%の高い税率がかかっているケースもあります。

そのときは、妻を扶養から外して社会保険料を払ってでも、妻の役員報酬を増額したほうが世帯単位の税金が安くなる可能性があります。

また、自身が会社経営者であれば、個人の税金・社会保険料だけでなく、会社側が労使折半で負担いている社会保険料と法人税も考慮して役員報酬を決めていかなければなりません。

自分自身と配偶者の役員報酬をいくらにすれば、「法人税と個人の税金・社会保険料の総支払金額が安くなるのか?」しっかりとシュミレーションしましょう。

その場合は、税務の知識が必須となりますので、税務の専門家である私たちにご相談いただければと思います。

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