消費税

消費税は個人事業主でも納付義務あり!売上1000万円以下で免除・計算方法

皆さんに馴染み深い税金の一つである”消費税”

事業者においても商品やサービスを提供する限りは、常に考える必要のある”切っても切れない税金”となります。

実は、消費税は、法人(株式会社など)だけでなく、個人事業主にも納税義務があります。

この記事では、個人事業主における消費税の取り扱いについて解説していきます。

消費税とは

まずは、消費税について簡単におさらいしましょう。

消費税とは、商品を購入したりサービスを受けたとき、その取引の”消費”に対して課せられる税金です。

世界で初めて消費税が導入された国は、1954年のフランスであり、日本では1989年の竹内内閣のときに消費税率3%から導入されました。

その後、

  • 1997年4月に消費税率3% → 5%
  • 2014年4月に消費税率5% → 8%
  • 2019年10月に消費税率8% → 10%

に引き上げられています。

消費税は間接税

消費税は、

  • 納税義務者(消費者)
  • 納税者(事業者)

が異なる間接税という仕組みをとっています。

事業者は、商品やサービスの価格に消費税を上乗せして、顧客から消費税を一旦預かります。

その後、事業者は、消費税の計算方法に基づいて納付額を確定させてから、確定申告(中間申告)により顧客から預かった消費税を国に納付する仕組みとなります。

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法人税や所得税などのように納税義務者と納税者が同じ仕組みを”直接税”と言います。

消費税は個人事業主にも納税義務がある

消費税は、売上高が1,000万円を超えると「法人」「個人事業主」関係なく、納税義務が発生します。

具体的には、

  • 2年前の”課税売上高が1,000万円超”
  • 1年前の上半期(6ヶ月間)の”課税売上高が1,000万円超”かつ”給与等の支払総額が1,000万円超”

のいずれかの条件を満たしたときです。

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個人事業主であっても課税売上高(消費税抜きの売上高)が1,000万円を超えれば、消費税を納税する義務が発生するということですね。

消費税の納税義務が免除になる条件

消費税が免除になる条件は、売上高が1,000万円以下のときです。

例え、顧客から消費税を預かっていたとしても、国に消費税を納める義務はありません。

その他、個人事業主から法人成りした場合は、

  • 資本金1,000万円未満
  • 会社設立から6ヶ月間の”課税売上高が1,000万円以下”かつ”給与等の支払総額が1,000万円以下”

の条件を満たすことで会社設立後2年間にわたって消費税の納税が免除されます。

赤字でも消費税はかかる!?免除になる条件とは

消費税を納税するときの計算方法

売上高が1,000万円超などで消費税を納税するときの計算方法を解説していきます。

消費税の計算方法は、次の2つから選択することができます。

  1. 原則課税
  2. 簡易課税(売上5,000万円以下なら選択可能)

1、原則課税

原則課税とは、商品やサービスの提供により顧客から「預かった消費税」から仕入れや設備投資などで「支払った消費税」を差し引いて計算する方法です。

消費税の納付額 = 預かった消費税 - 支払った消費税

例えば、課税売上高2000万円、課税仕入高1200万円の会社があったとすると、

消費税の納付額 = 2000万円 × 8% - 1200万円 × 8% = 160万円 - 96万円 = 64万円

と計算できます。

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原則課税では「売上高 < 仕入高」になったとき、消費税の還付を受けられるメリットがあります。

関連記事:税理士が消費税の還付を受ける条件を徹底解説

2、簡易課税

簡易課税とは、課税売上高5,000万円以下の中小事業者の事務負担の軽減を目的とした消費税の計算方法です。

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簡易課税を選択することで、仕入れや設備投資などで「支払った消費税」の記録や集計をする手間が省けます。

支払った消費税を算出

まず、「預かった消費税」に「みなし仕入率」を掛けて「支払った消費税」を算出します。

みなし仕入率は、業種ごとに次のように定められています。

みなし仕入率 該当する事業
90% 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業)をいいます。
80% 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第一種事業以外のもの)をいいます。
70% 農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業及び水道業をいい、第一種事業、第二種事業に該当するもの及び加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除きます。
※2019年10月1日よりみなし仕入率は80%となります。
60% 第一種事業、第二種事業、第三種事業、第五種事業及び第六種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業などです。
なお、第三種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第四種事業となります。
50% 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業に該当する事業を除きます。)をいい、第一種事業から第三種事業までの事業に該当する事業を除きます
40% 不動産業

参考:国税庁「簡易課税制度の事業区分」

消費税の納付額を算出

あとは原則課税と同じく「預かった消費税」から「支払った消費税」を差し引いて消費税の納税額を算出します。

消費税の納付額 = 「売上高 × 消費税率 - 売上高 × 消費税率 × みなし仕入率」 = 「預かった消費税 - 仕入控除税額」

例えば、小売業(みなし仕入率80%)、課税売上高2000万円、課税仕入高1200万円の会社があったとすると、

消費税の納付額 = 2000万円 × 8% - 2000万円 × 8% × 80% = 160万円 - 128万円 = 32万円

と計算できます。

簡易課税について詳しくは次の記事をご覧ください。

簡易課税とは?売上5000万円以下なら消費税を節税できる可能性あり

インボイス制度で免税事業者から課税事業者の必要性あり

2023年10月1日にインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートしました。

これにより売上高1,000万円以下であっても免税事業者から課税事業者になる必要が生じる可能性があります。

大きなポイントは、仕入税額控除の有無です。

これまで課税事業者は、消費税の納税額を計算するときは、仕入れにかかる消費税額を差し引くことができました。

消費税の納付額 = 売上にかかる消費税額 – 仕入にかかる消費税額

しかし、インボイス制度では、免税事業者から仕入れたときは消費税額を差し引けなくなりました。

これにより個人事業主・フリーランスなどの免税事業者は、

  • 商品価格の値下げを要請される
  • 取引を打ち切られる
  • 新規取引先の選考から外される

という可能性があります。

消費税インボイス制度が始まる!個人事業主・フリーランスの影響は?

最後に

2019年10月1日から消費税が8% → 10%に増税されます。

個人事業主やフリーランスも他人事ではなく、今は免税事業者であっても売上が急激に増えた場合は、消費税の納税義務を受ける可能性もあります。

事業を営む限りは、

  • 消費税の納税義務が発生する条件
  • 消費税の計算方法

といった知識は身につけたほうが良いでしょう。

※本記事は、芦屋会計事務所 編集部によって企画・執筆を行いました。
※記事の執筆には細心の注意を払っておりますが、誤植等がある場合がございます。なお、執筆時から税法の改正等がある場合がございますので、最新の税法については顧問税理士等にご確認ください。

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